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第7話 合唱。いいえ、合掌です 前編


 葬儀会場の隅で絶叫しているリンクのところへと、リュウがやって来て眉を寄せた。

「おい、リンクうるせーぞ。何騒いでんだよ」

「せやかて、リュウ! この天然バカトリオがっ……!」

 と、キラとミーナ、グレルを指差すリンクの一方、シュウがリュウのズボンを引っ張った。

「ね、ねえ、オヤジ。ごイゾグに会ったときのアイサツって、何て言うの?」

「ああ、そうだ。さっきそのことを言おうとしたんだが。いいか、おまえたち。遺族に会ったらお悔やみの言葉っていうのを言うんだ。『この度はまことにご愁傷様でした。謹んでお悔やみ申し上げます』ってな」

「ええっ!?」

「何だ、シュウ」

「グレルおじさんにごイゾクに会ったら『ご臨終です』って言えって言われたから、さっきみんなで言っちゃったよ!」

「――なっ……!?」

 顔を引きつらせたリュウ。
 きょとんとしている天然バカトリオの顔を見回したあと、脱力して背を向ける。

「遺族んとこ行って謝ってくる……」

「僕も……」とレオンが苦笑しながら続いた。「こっちだよ、リュウ。こっち。あのご遺族に失礼なこと言っちゃったんだ」

「そうか…。リンク、天然バカトリオと子供たちにマナー教えといて……」

 とリュウがレオンに着いて行く。

「オ、オヤジごめんっ……! …ああもうっ! オレもう、母さんの言うこともミーナ姉の言うことも、グレルおじさんの言うこともしんじねえっ!」

 と喚いたシュウも、リュウに着いて行った。
 リュウ・レオンと共に、遺族にぺこぺこと頭を下げて謝罪する。

 それを見ながら、天然バカトリオはようやく自分たちが間違っていたのだと実感する。

「グレル師匠、ミーナ、ど、どうも私たちが間違ってたみたいだぞ……」

「せやからさっきから言ってるやんっ!」

 と声をあげたリンク。
 リュウに言われた通り、天然バカトリオに葬儀のマナーを教える。

「ええか、司会者の葬儀開始の挨拶のあと、僧侶による読経・引導や。ええか、おとなしくしてるんやで…!? 騒いだりしたらあかんのやで……!?」

 うんうんと、頷く天然バカトリオと、ミラ、サラ、リン・ラン。
 それを確認したあと、リンクは続ける。

「んでそのあとの弔辞・弔電のときもおとなしくな!? で、そのあとお焼香っていうのが待ってるんやけど……。ええか、良く聞け」

 真剣な顔になり、再びうんうんと頷く天然バカトリオとミラ、サラ、リン・ラン。

「まず遺族から先にお焼香済ませるから、おれたちは後からなんやけど。自分の順番が回って来たら、まず次の人に軽く会釈や」と、ぺこりと会釈して見せたあと、リンクは続ける。「んで、焼香台の手前で、今度は親族に一礼な。ほいで焼香台に進んで、遺影を見つめてまた一礼。あ、遺影ってアレな。あの亡くなった方の写真な」

 とリンクの視線を追って天然バカトリオとミラ、サラ、リン・ランが遺影に顔を向けて確認したあと、リンクは続ける。

「で、お焼香するんやけど――」

「それはオレ知ってるぞーっと♪」と、グレルが口を挟んだ。「あの木の粉みてーのを、真ん中くらいに置いてる墨の上に乗せるんだろ?」

「せや。木の粉……ってか、抹香を真ん中の炭のところに静かにくべんねん。こう、親指と人差し指、中指で摘んで、目の高さまで捧げてからな。3回するんやで、分かったか?」

 うんうんと天然バカトリオとミラ、サラ、リン・ランが頷いたのを確認したあと、リンクはほっと安堵の溜め息を吐いた。

「で、あとは数珠を手に、故人又はご親族に対する思いを込めて『合掌』し、霊前を向いたまま2、3歩下がって一礼、遺族・僧侶にも一礼後、自分の席に戻ればええんや。分かったか?」

「おう、分かったぜリンク。焼香後は『合唱』し、霊前を向いたまま2、3歩下がって一礼、遺族・僧侶にも一礼してから自分の席に戻るんだな?」

「せや、師匠。みんなもええか?」

 承諾した天然バカトリオとミラ、サラ、リン・ランの返事を聞いたあと、リンクはリュウたちのところへと向かって行った。
 グレルがキラとその子供たち、ミーナを見回して言う。

「だってよ、分かったかおまえたち?」

「分かったぞ、グレル師匠! 今度こそ失敗しないぞ!」

 と言うキラに同意して頷く、キラの子供たちとミーナ。

「で」

 と、声をそろえたのはキラとグレル、ミーナ。
 お互い顔を見合わせながら首をかしげた。

「合唱って、何のだ?」

 ミラがキラのスカートを引っ張る。

「ねえ、ママ。ガッショウって?」

「あれだぞ。みんなで歌うやつだぞ。どうやら、1人1人が焼香とやらを済ませたあと、その都度合唱しなければいけないようだぞ。で、何を歌えば良いものか」

「うーん」と、ミーナが遺影に目を向ける。「じーさんだからなあ。渋い歌がいいのではないか?」

「つまり演歌かぁ? ……あっ!」パチンと指を鳴らしたグレル。「いいのがあるぞーっと♪ いいか、おまえたち……」

 と、キラとその子供たち、ミーナに顔を近づけた。
 
 
 
 
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